さて、 「天使と悪魔」は確かに手に汗握るスリルとサスペンスが魅力ですね。
それに随所にヴァチカンの美術の解説とか、ギリシャ、ローマ以来の
ヨーロッパの芸術作品の瞥見などが散りばめられていて、そういう面で
も読ませる小説です。著者のダン・ブラウンは相当な博識(欧米のイン
テリでは当たり前かもしれませんが)を駆使している感じです。
エジプト情勢の方は、昨日(現地の8日)でしたか、カイロの中心広場
にまた数万人のデモ隊が集まって、依然ムバラクの即時辞任を訴えたよ
うですし、仰るように貧困者の救済、弾圧やテロ行為の停止を実行しな
い限り、解決には至らないでしょう。それには真の「民主主義革命」が
必要で、その担い手というか政治勢力としてイスラム原理主義のムスリム
同胞団?、あるいはその他の市民派グループがどれだけ力をつけていけ
るのか、その辺りがカギを握っているように思えます。アメリカ(軍産
複合体)は表向き、“民主革命”を応援しているようなポーズをみせつ
つ、裏ではご指摘のように反イスラエル政権が誕生するかしないか、ハ
ラハラしながら見守っているのでしょう。でももっと裏を読めば、その
反イスラエル政権が誕生して、中東情勢の緊張がもっと高まれば、そ
れはそれでアメリカの軍事プレゼンスが高まることになり、軍産複合体
にとっては好都合かも知れませんね。
話変わって、昨日の菅首相と野党との党首討論(私は視聴しませんで
したが)は今朝の報道によると、菅首相は強気の戦術で通したようです
ね。「マニフェストの破綻」を認めてしまうと民主党内が割れて、持た
ないからなのでしょう。それにつけても小沢一郎の存在がここへ来て
大きな障害となって菅政権の行く手を塞いでいる感じです。さっさと
離党して一応のケジメをつけ、野党の付け入るスキを与えないように
しなければ…。そして裁判で晴れて無罪放免となれば堂々と復党すれば
いいのです。新聞の論調では、このままでは予算(&関連法案)の年度
内の可決成立は世論の風次第という危険な賭けに出たようだ、とのこと
ですが、読売の社説では、党首討論について、「自民党は長年、政権を
担当してきた政党としての責任がある。首相が『議論もしないで、まず
解散では、党利優先だ』と切り返したのはもっともだ」と理解を示し、
さらに「政府・与党が、財源を明示した改革案(社会保障と税の一体)
を出してくれば、自民党は(与野党)協議の席につくべきである」と
まで“援護射撃”をしています。
読売はナベツネの指令のもと、当面、菅政権を支える方針になって
いるのかも知れません。その裏には米の支配勢力と結びついて米国隷
従路線を進めようとしているのでしょう。
この先、政局は確かに流動的で、もしかしたら予算の扱いの絡みで
衆院解散・総選挙となって大幅な政界再編が巻き起こるかも知れませ
ん。その場合でも菅氏は少数党でもいいから踏ん張って連立政権を樹
立し、首相を続けてもらいたいものです。とにかく“政局”に煩わさ
れない、真の王道政治を実現して欲しいものです。
とまぁ、素人の勝手な憶測になってしまいました。
最後に、お隣、朝鮮半島の情勢が“緊張から対話”へという変化を
みせていますが、依然として北朝鮮の金正日政権が核・ミサイル開発
を諦めていないという冒険主義路線をとり続けている限り、いつもの
表向きの軟化と見せかける常套手段でしょう。中東アラブ諸国のよう
に、民衆がデモで立ち上がるという訳にはいかないのでしょうか?
IT環境が整っていないというインフラ面での制約条件もあるかも
知れませんね。
かなり長くなってしまいました。
それでは。今夜は近畿地方も雪らしいですので、お気をつけを!
2月10日 FJ 拝
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20211 2 10 Thursday
FJさん
おはようございます。雨が降って自転車で出かけ難い状況ですね。
小生も今週は日月火の三日間は自転車にのって運動になりました坂が結構きつい国会
図書館関西館往復は常日頃、サイクリングをしていない身にはちょっとしんどいですね。
>
>
>> 翻訳も上手く、ヴィジュ
>> アル愛蔵版とあって文字が大きめで所々に図版(写真も多用)があり、
>> ほんとに読みやすいです。これにかかりっきりだと1日で読めそう。ただ
>> 実際にはあと3日はかかりそうです。
>
成る程数冊併行で読むと遅くなるのでしょう。
やがて面白くなるのでどんどん読み進められるのでは?
小沢と検察・警察権力:
可視化という一点ではやはり取り調べる側はいままでのやり方が大幅に変わるし、や
りにくいと考えてそういうことでもしかして協働するのではと懸念されます。
アメリカに軍事面で依拠するエジプトは(日本も同様です)少なくとも軍はアメリカの意向を尊重するのだと思います。
それでは、、また。 イシカワ拝
>>
>当面、スレイマン副大統領が実質的
> な権力を握って「政権移行」をスムーズに運び、その間、ムバラクは事実
>>上、“名誉大統領”として君臨するという形に落ち着く
>
少なくとも落ち着くよう期待しているのでしょう。反イスラエルへの動きがどうな
るか、イスラムのパレスチナ応援・反イスラエル機運が高まると米国は右往左往とな
るのかと思います。
落ちつかせるべくアメリカの動きは感ずかれると却って反発を招くのではないか懸
念されます。
貧困者を救い、弾圧・テロをやめる姿勢こそ肝要で、腹をくくってこの方向を追及す
べきだと思います。
>> ----- Original Message -----
>> 石川様 メール有難うございました。「天使と悪魔」ようやく半分
>> 近く読み進めてきました。じつは他の本と並行して読んでいるので速度が
>> 遅いです。合い間には家事など雑事が入ってきますし…。「天使と悪魔」
>> は文章が平易で(現代アメリカ人の作家らしく)、翻訳も上手く、ヴィジュ
>> アル愛蔵版とあって文字が大きめで所々に図版(写真も多用)があり、
>> ほんとに読みやすいです。これにかかりっきりだと1日で読めそう。ただ
>> 実際にはあと3日はかかりそうです。
>> 内容的には、ヴァチカンを舞台に、アメリカ人の学者とスイス&イタリ
>> ア人の2人の主人公によるサスペンス風の読物になっており、やや平板な
>> 感じはあります。でも、具体的な描写と、ヨーロッパ(ギリシャ・ローマ
>> ~)の歴史的な遺産の紹介に優れたものがあり、引き込まれます。
>>
>> 小沢の強制起訴、並びに元秘書たちの初公判と仰るように同時並行的に
>> 大相撲の八百長疑惑が表面化、八百長問題は連日のように大きく取り上げ
>> られていますね。でも小沢の問題は検察が関わっており、一方、大相撲疑
>> 惑は警視庁(警察)ですから、直接の取引めいたものはなさそうと思いま
>> す。タイミングとしては偶然の一致ではないでしょうか。小沢は、昨日愛
>> 知県・名古屋市の選挙で当選した大村、河村両氏と早速挨拶するなど“親
>> 密”な関係を見せつけて民主党執行部・菅首相側を牽制していましたね。
>> 大体、国会で一言も説明しないでおいて民主党の執行部の足を引っ張って
>> おいて、今更、党の執行部に批判的な言動を弄するのはもってのほか。
>> 早く離党するのがスジだと思います。現に子分の石川議員は離党している
>> ではありませんか。“政治の師”だった田中角栄も逮捕時点でしたか、
>> 起訴の時だったか自民党を離党していましたしね。党執行部は最低でも
>> 「党員資格停止」ぐらいの処分をしないとだめでしょうね。
>>
>> エジプトの情勢の方は、野党勢力の有力な一部がスレイマン副大統領と
>> 対話をして何らかの合意に達したようですが、まだ詳細は分かりません。
>> オバマ米大統領はムバラクに即時辞任を求めていたはずですが、どうなっ
>> たのでしょう? CIAとエジプト軍部が裏で結びついて、騒乱の“軟着
>> 陸”を図っているのかも知れません。ムバラクがすぐに辞めない(辞めら
>> れない)のは、莫大な個人資産を安全なところに隠すのに数ヶ月の時間を
>> 要するため、との説もあるようです。当面、スレイマン副大統領が実質的
>> な権力を握って「政権移行」をスムーズに運び、その間、ムバラクは事実
>> 上、“名誉大統領”として君臨するという形に落ち着くのでしょうか。
>> それではデモを続けているエジプトの一般民衆が承知しないでしょうし…。
>> 軍を押さえている(らしい)スレイマンが実権を握っている限り、“軟着
>> 陸”路線が当面は現実的になっていくということかも知れません。いず
>> れにしろもう少し様子を見守る必要がありそうですね。
>> 取り急ぎのお返事でした。では、また。 2月8日 FJ 拝
以上 ジャーナリスト・ネットにも掲載(併載)
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